2009年11月28日土曜日

2009/11/28 INAX森でeこと

INAX の社員とその家族がサメゲの泉周辺の整備
(五斗蒔だより2010年2月号から転載)

会員のみなさん、こんにちは。
 去る11月28日(土)にINAX の社員とその家族が「サメゲの泉」周辺の整備を行いましたので、活動報告をいたします。
 その前に、私たちが宍塚で活動を始めた経緯を簡単にお話しますと・・・。
 私たちINAX は、タイル建材と住宅設備機器のメーカーです。焼き物の産地、愛知県常滑出身の会社で茨城県には、つくば市にユニットバスの主力工場があります。これまで、社員の環境意識の向上を狙いとして、生産拠点のある愛知県と三重県で社員とその家族によるボランティアで森林や里山の保全活動を行ってきましたが、茨城県下でも活動を始めようとして、パートナーを探していたところ、日本自然保護協会のご紹介で及川さんと出会いました。
 窯業原料としての水と土、製品としてのトイレなど水と関係の深い会社であることから、水やその循環に関連した里山保全活動ができないかご相談したところ、ちょうど会で湿地の回復を計画しているとのこと、それではということで、水源の復元と水路の整備を協働で行うことになったという次第です。

 「サメゲの泉」は、ご存知の方もあるかと思いますが、宍塚大池の水源のひとつで、現在の姿は、藪に隠れた小さな水溜りという感じです。しかし、かつては宍塚の人々が農作業で乾いた喉を潤した貴重な休息の場所であったということです。今回の活動によってこの水源の周辺の藪を払い、泉から湿地、休耕田に至る水の流れを回復しようとしました。
 当日は、朝9時半にボランティア45名が集合し、午前は、会のリーダーの引率で里山の自然観察を行いました。お昼は、会の皆さんに炊き出しをお願いして、宍塚の田んぼや畑で収穫した米や野菜で作った里山ランチを美味しくいただき、午後から作業に入りました。
 泉の周辺の藪を払う班、泉周辺を掘って拡大する班、水路を掘る班などに分かれ、シャベルや鎌などの慣れない道具に振り回されながらも、なんとか予定の作業を終えました。参加者からは、「また参加して続きをやってみたい」「里山を見る目が変わった」「自然を身近に感じることができた」「里山ランチが美味しくてびっくり」などの反響がありました。

 次回の活動は、2010年5月頃、会の皆さんと協働で湿地のビオトープ作りに着手する予定です。会員のみなさん、今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社INAX サステナブル・イノベーション部/Nさん




画像タイトル:人のちから -(143 KB)

イナックスの活動 名前: はっぴい [2009/12/04,12:50:45] No.1726 返信
宍塚の自然と歴史の会のスタッフも一緒に記念撮影。
全部で70人ほど。
今日もよく働きました。
この里山が、良い環境を継続して保って行かれるよう、昔のことを学び、今の状況を知り、これからのありようを思い浮かべながら、多くの人と一緒に考え、行動と活動を進めていけたら、いいなあと思います。


画像タイトル:子どもの情景 -(71 KB)

ふかふか 名前: はっぴい [2009/12/04,12:36:24] No.1725 返信
枯れ草は、ふかふかのマット。お日さまをいっぱい吸い込んでぽかぽか。


 画像タイトル:紅葉 -(78 KB)

INAX森でeこと 名前: はっぴい [2009/12/04,12:30:47] No.1724 返信
11月28日、イナックスとの里山保全協働作業。
お昼が終わって、みんなが作業に出かけた後、クルミの木の下では昼ごはんの片付け。午後は、小さな子が何人かお留守番でした。




2009年10月31日土曜日

2009.10.31 富士通・ニフティとの協働

富士通 ニフティ 企業と協働

 10月31日、富士通株式会社・株式会社ニフティ合同のイベントを開催しました。
 この活動は、富士通株式会社と株式会社ニフティの、社員とそのご家族を対象に、里山を知り、里山の保全活動を体験してもらう目的で行いました。今回は、「守れ、SATOYAMA―生物多様性ってすごい!」と題して、観察や作業を体験しながら生物多様性を学べる企画を実施しました。
 当日の活動を報告します。午前中は4班に別れて自然観察をしました。この際、イベント企画に関わった私たちは、参加者の皆様に「生物多様性」についてより深く意識してもらうために、生態系ピラミッドを作りながら観察することを企画しました。班は、歴史班、昆虫班、植物班、環境班に別れ、班ごとに宍塚の会の方にレクチャーして頂きました。私は阿部さん率いる歴史班に参加させて頂きました。
 歩き出すと早速、「オオタカだよ!」と阿部さん。慌てて見上げると、既に見えなくなっていました。残念に思っていると、「ほらあそこ!」今度は見ることが出来ました。空白になっているピラミッドの頂上に、各々「オオタカ」と書き込みます。「これがカラスウリ」「こっちはムラサキシキブ」数十秒歩き進むたびに観察対象が現れます。「教えてもらえなかったら見逃していたな」と思うような何気なく生えている植物でも、「この実は食べられるのよ」「ウツギという木は空に木と書くのよ」といったお話を聞くと、どんどん楽しくなってきます。
 「阿部さん、モグラはピラミッドのどのあたりですか?」と参加者の方々が質問しながらピラミッドに書き込んでいました。興味を持って楽しんでいる様子でした。途中で発見したキクラゲやベニハツタケ、ドングリなどを虫かごに採集していきます。「これも持って帰りましょうよ」「こっちは食料箱にして、そっちに葉っぱを入れましょう」参加者同士の会話もはずんできました。私はキクラゲが木に付いているところを初めて見て、驚きました。宍塚大池を回って、古墳や貝塚を見学し、お腹を空かせて集合場所に戻りました。
続いてお楽しみの昼食です。昼食では、宍塚の竹林の竹を使って食器を作り、手作りの食器を使ってごはんを頂きます。私たちの班は松島さんと一緒に竹林に入り、伐採をお手伝いしました。切った竹をいくつかに分割して運びだし、お椀、お皿、お箸を作っていきます。男性の参加者の方々が率先してノコギリを使って切り、作り方を教え合いながら完成させました。宍塚米などのお料理はどれもとても美味しく、手作りの食器で食べたためより一層美味しく感じました。ちょうど胡桃の木が実を落とす時期で、火であぶった胡桃を味わうことも出来ました。
 午後は、各班に別れて里山保全作業を体験しました。ビオトープ班は、里山内の休耕田をビオトープにするため、水路を掘る作業をしました。 外来植物駆除班は、セイタカアワダチソウの繁殖を防ぐため根元から引き抜く作業をしました。外来魚駆除班は、宍塚大池の外来魚(ブラックバス、ブルーギル、アメリカナマズ)を駆除する目的で網を仕掛けました。私は外来魚駆除班に参加しました。
まず、ボートで池に網を下ろしていきます。池の一部をぐるっと覆ったら、その両端を引っ張って陸に上げます。網に掛った魚を観察し外来魚は駆除します。参加者みんなで力を合わせ、網を引き上げました。かかった生き物を見て驚きました。まるいゼリー状のくらげに似た生き物が大量にかかっていたのです。これはオオマリコケムシというもので、小さな粒状の個体が集まりゼリー状の群体を形成しています。参加者の方々も、衣装ケースいっぱいになったオオマリコケムシを見て驚いていました。参加者の男の子は楽しそうにコケムシを触っていました。私も触ってみたところ、ぐちゃぐちゃと気持ち悪い触感でした。こんな生物が大量に池の中で繁殖していると考えると、他の生物への影響も心配です。水中であるために普段目に見えない池の生態系を見ることができ、「生態系の危機」に対する理解が深まりました。
 あっという間に一日のイベントが終わり、各々とても充実した時間を過ごせたようでした。「次回も是非来たいです」と、ある社員の方は満足した様子で言っていました。私自身、今日一日で宍塚の里山を好きになりました。人が自然から受けている恵み(生態系サービス)は多く、大きく、自然の中で過ごすことが人間にとって大切だと感じた一日でした。


(富士通株式会社環境本部インターンシップ生 Sさん)

【写真について】

写真1 熱心に自然観察をする参加者


写真2 手作り食器に盛り付けた昼食

写真3 宍塚大池で網を引き揚げる様子


写真4 オオマリコケムシ


写真5 大量に引き揚げたオオマリコケムシ

(五斗蒔だより2009年12月号から転載)



2009年5月16日土曜日

2009.05.16 富士通との協働活動

(五斗蒔だより2009年7月号から転載)

富士通:「守れ、SATOYAMA-竹林被害を"食い"止めよう」

 5月16日、当会の会員との協働により、富士通・ニフティー社員(約35名)は、「守れ、SATOYAMA-竹林被害を”食い”止めよう」のテーマの下に、午前中は里山の現状などを知るための観察会を実施した。そして、里山ランチの昼食後、4グループに分かれて、里山内に拡大する一方の竹林の整備と、大池のブルーギルやブラックバスなどの外来魚駆除活動を行なった。
 これら二つの取り組みは、里山の生物の多様性という視点からみたときに、増え続ける外来種を放置したままだと在来種が駆逐されて、生物相が貧困になる恐れが指摘されていることへの挑戦である。
 富士通が里山でのこうした取り組みを社員の参加の元に活動を始めたのは、昨年同社が「ビジネスと生物多様性イニシアチブ」(COP9で、ドイツ政府が民間企業に生物多様性へ関与することを求めて発足したイニシアチブへ署名参加し、リーダーシップ宣言を行った企業は、生物多様性の保全に配慮した企業活動をすることが期待されている)に加盟したことにあり、これら一連の活動は企業の生物多様性保全のためのCSR活動の一環と位置づけられる。
 そして、昨年の秋に実施した第一回についで、今回は二回目の活動であり、活動の内容も前回から引き続き、同じテーマでの取り組みとなった。企業のこうした継続的な活動を通して社員にも生物多様性の保全の意味の理解と環境保全への意識を深かめることができる機会であるとともに、社内では実施できない自然環境系に属する環境教育の一環と位置づけることができる。
 当日の午前中は、宍塚の里山の自然環境の実態を知ってもらうために、全員参加のもと観察会を実施した。特に、外来種の進出が里山の生物多様性を脅かしている実情を実際に見てもらった。そして、外来種の駆除が里山の生物多様性の保全のためには欠くことのできない重要な活動であることについて理解を深めてもらうとともに、当会が推進している里山の保全活動の意味や意義を知ってもらうことなどのねらいから宍塚大池の里山の観察会を実施した。
 お楽しみの昼食は、当会と企業スタッフの手作りの里山ランチに参加者一同が舌鼓を打ち、美味しくいただいた。使用する食器は里山から切り出した竹で手作りして食べるなど野趣あふれる体験をすることができた。食事のあと、竹林の整備と外来魚種の駆除を行なうグループに分かれて時間一杯活動した。


(外来魚駆除作業)

★当日のタイムテーブル
10:30~ 開会の挨拶富士通および及川、オリエンテーション
10:40~12:30 自然観察コース及び行動計画
コース=ゴロベエの森の観察、セイタカアワダチソウの観察
12:30~13:30 食器つくりと里山ランチ
13:30~15:30 竹林整備、外来魚駆除の二班に分かれて活動する
15:30~16:00 活動終了、後始末、総括


2009年5月9日土曜日

2009.05.09 INAXの活動

INAX:「INAX・森でe(いい)こと」

 5月9日、当会の会員との協働により、INAX社員とその家族(約60名)は、午前中は里山の自然観察会をしながらこれから活動するフィールドの周辺を見学した。
 その後、昼食は宍塚の田畑で収穫した米・野菜で作った里山ランチを自分たちで作った竹の食器で食べた。
 午後、5グループに分かれてサメゲの泉の周辺の整備作業を行った。サメゲの泉は、稲荷谷津上流部に位置し、以前は農作業のときに飲料に使っていた湧水のことである。長い間使われていなかったが、この機会にその周辺の整備に取り組んでいる。1班は草刈り機による刈払い作業、2班はスコップによる水路の整備作業、3班・5班は手鋸による刈払い・枝打ち作業、4班は午前中食事当番だったのでフィールドを歩いた後に作業に参加した。
 INAXでは、「この活動を通じて、社員一人ひとりの環境意識を啓発していくと同時に、生態系の中での水の浄化作用や微生物による分解によるメカニズムなど、生物多様性が持っている力の応用も今後の研究・事業課題として、水資源の商品開発・研究のあり方についても学ぶ機会とする」と位置付けている。
 このように企業が、里山保全活動に取り組む背景には、生物多様性の認識が高まり、企業としての責任が求められていることにある。INAXの環境活動を環境省のエコ・ファースト制度で「エコ・ファーストの約束」として公表し、認定を受けている。また、生物多様性の保全を目指して積極的に行動する企業が集まる「企業と生物多様性イニシアティアブ(JBTB)」の会員でもある。
 当日の午前中は、当会が推進している里山の保全活動の意味や意義を知ってもらうことなどのねらいから宍塚大池の里山の観察会を実施したが、小さい子どもたちも注意深く熱心に聞いていた。
 午後の活動は、やるぞーの意気込みが感じられ、INAX側の準備もよろしく、成果はみるみる上がっていった。秋山常務も皆と一緒になって草刈り機でシノダケの藪を刈り払った。子どももスコップを持って泥にまみれながら一心不乱に水路を掘っていた。職場の地位など関係なく接している姿にINAXの社風かなと思った。各班のリーダーの統率力もよかった。あるリーダーは3月から依頼されていて下見に宍塚を訪れていたそうである。今回の参加者は茨城県内の工場の関係者が多く参加していて顔見知りも多かったようだ。
 (サメゲの泉の作業)

 今回の企画を実施するにあたってINAXの担当者は、宍塚のほかに何箇所かの場所を実際に見て最終的に宍塚を選定したという。担当者は、打ち合わせに3回ほど訪問して準備を進める一方で、リーダーも早い時期から適任者を選びだし任命していたようである。会からは30名ほどでサポートに当ったが、INAXも会員も区別つかないぐらい一緒になって作業に取り組んでいて、会員からは心地よい活動ができたと満足の声が多く聞かれた。
 昼づくりも片付けもみな参加し、どちらかが一方的にサービスするのではなく、お互いのミッションの達成に主体的に取り組むなど、改めて協働の意味を考えさせられた。あと片付けが終わり、里山情報館で合同の反省会を開き、すべてが終了したのは17時過ぎであった。

★当日のタイムテーブル
9.00 会のメンバーとINAXのスタッフとの顔合わせ、打ち合わせ
9:30~ふれあい農園前で受付開始
10:00~10:10 開会の挨拶 INAX秋山常務、会から及川、オリエンテーション
10:10~11:30 自然観察コース及び行動計画
11:30~12:00 食器つくり
12:00~13:00 里山ランチ
13:30~15:30 各班に分かれて実践活動
15:30~16:00 片付、終了後農園に移動
16:00~ 閉会の挨拶 INAX余合工場長スタッフによる合同反省会


INAX(現在はLIXILに統合) ⇒ 5月9日、茨城県土浦市宍塚(ししつか)で、里山保全活動を行います!



2009年4月8日水曜日

2009.04.08 ㈱INAXと覚書を締結



(五斗蒔だより20095月号から転載)

株式会社INAXと覚書を締結

 昨年から富士通株式会社と生物多様性に主眼を置いた活動を開始しましたが、このほど株式会社INAXと保全活動を行っていくための覚書を締結しました。
 INAX は生物多様性維持活動の一環として2008 6月から三重県「伊賀市上阿波地区」や愛知県「海上(かいしょ)の森」で、「森でe こと(もりでいいこと)」活動を行ってきました。間伐や植樹などの森林保全活動が中心でしたが、このたび、最も身近な生物多様性の現場である里山保全活動を当会と共同で開始することになりました。里山の自然を学びながら、宍塚大池の水源の泉を復元し、湿地やたんぼの再生をはかる活動で、水路づくりや草刈りなどに取り組みます。筑波や土浦工場、関東地区の営業所で、社員にボランティア参加を呼びかけ、5 9 日、第1回目の里山保全活動を行うことになりました。
 4 8 日、首都圏統括支社長 秋山泉氏と当会理事長が覚書を交わしました。

 里山保全の目的の一つは、さまざまな生物が生息する場である里山を多様な生物の生息の場として保全することにあります。来年は生物多様性条約第10 回締約国会議(COP10)が名古屋で開催されます。これに先駆け企業も生物多様性の維持が地球温暖化問題同様人類の大きな課題であると捉えています。里山の保全に企業が大きな役割を果たすことを期待しています。